
同じ水戸でやくしまるさんと一緒にライブをやり、
種明かしはあんましたくないけど、リミックスの鍵はモノラル。


【坂本龍一プロフィール】≫ 坂本龍一アイテム一覧
78年『千のナイフ』でソロデビュー。同年、 細野晴臣、高橋幸宏と『YMO』を結成。
散解後も、音楽・映画・出版・広告などメディアを越え活動。
84年、『戦場のメリークリスマス』で英国アカデミー賞他を、映画『ラストエンペラー』の音楽で
アカデミー賞、グラミー賞他受賞。以降、活動の中心は欧米へ。

最後に、昨年2回にわたって一緒に演奏出来たのも(ブリッツとライジングサンロックフェスティバル)
とても楽しい事でした。





リミックスを依頼される事はしょっちゅうあるんだけど、大抵は(原曲素材が)自分が作ってる音楽と似ているものだったりする。でもそういうのには、あまり興味がないんだ。自分で作っているものと違う音楽をリミックスする方が好きで、いつもロックとかポップのシーンの方に興味がひかれる。原曲からコードや全体の構造を変えたりして、楽曲を分解・新たに作り直す事が好きなんだ。
今回は相対性理論の「四角革命」で、それらを行うことにチャレンジしたんだ。
これはとても美しい楽曲で、リミックス素材として完璧だったよ。

こんなにたくさんの素晴らしいアーティスト達と同じアルバムに参加する事ができて嬉しいです。今回の私のミックスは、バンドから送られてきた音素材のみを使用して作っています。
【Matthew Herbert プロフィール】
非常に想像力に富んだ多彩なアーティストであり、彼の作品にはミニマル・ハウスから
ミュジーク・コンクレート、社会・政治色の強いプロテスト・ポップに至るまでの様々な要素が含まれている。
本名であるマシュー・ハーバート名義の他に、ドクター・ロキット、ウィッシュマウンテン、
レディオ・ボーイ等でもリリースを行なっており、多岐に渡るアーティストのプロデュース
およびリミックスを手掛ける。
≫Matthew Herbert オフィシャルサイト
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「ミュータント・アルバム」…あまり聞きなれない名称で呼ばれるこの作品をどのように表現すべきか。
「ミュータント」を辞書で調べてみると「突然変異の生じた個体や細胞。突然変異体」と出てくる。生物学の用語で、ある集団の大多数の形質と異なる形質を持つようになることを指す。オランダの生物学者ユーゴー・ド・フリースが、1901年に「進化は劇的な突然変異によって起こる」という進化論のひとつ、突然変異説を提唱したことから使われるようになったのだそうだ。
さて、話を『正しい相対性理論』に戻そう。
「QJPCAM」「QMSMAS」と、まるでDNAの配列表のごとくアルファベットが並んだ曲目リスト。ここでは相対性理論というアーティスト名すらも「STSR」と分解され、何やら難解なイメージを抱かせる。
けれど、その楽曲はファンであれば聴き慣れた人気曲のオンパレードだ。
「ペペロンチーノ・キャンディ」「ミス・パラレルワールド」…あの楽曲が、世界的アーティスト達によって分解され、彼らなりの味付けで再構成されている。
実験的なアプローチで知られるBuffalo Daughterは彼女たちらしいノイジーなバンド・サウンドと相対性理論の音源とでハードなセッションを展開するし、
日本語ヒップホップ界のトップランナーといえるスチャダラパーはDJによる軽やかなリミックスに相対性理論へのアンサーとなるようなMCのラップを乗せているし、
言わずと知れた我らが坂本龍一はピアノによる浮遊感のある幻想的な伴奏をつけて、相対性理論が持つポップな世界にまったく新しい表情を見せている。
要するに、これは単なる「コラボ」とか「リミックス」ではなく、「いつものあの曲」を「劇的に違う何か」にしてしまう作品なのだ。
あのオランダの生物学者が言ったように、進化が劇的な突然変異から起きるのだとしたら、まさにその現場をこのアルバムによって体験することができるだろう。
こうして聴いてみると、これらの音源を受けて相対性理論が新たに仕掛ける音源もまた、これまでの彼らとはひと味違う3曲に見えてくる。
まずは一度、手にとって聴いてほしい。
きっとこれまでの相対性理論から一歩進んだ何かを、あなたも感じるはずだ。
Text/伴 牧子
